- CC0NFTって何?
- CC0NFTの特徴が知りたい
上記の様な悩みを解決します。
本記事の内容
- CC0 NFTとは?
- CC0をNFTに採用する理由
- CC0 NFTのメリット・デメリット
ブルーチッププロジェクトの1つである「Moonbirds」や、毎日1体生成され100ETH程(執筆時点で約2,200万円)で購入され続ける「Nouns」等のPJがCC0を採用しています。
そんな「CC0 NFTとは何のか」「なぜCC0を採用するのか」等について、この記事で解説していこうと思います。
CC0 NFTとは?
結論から言うと、CC0NFTとは「著作権を完全に放棄しているNFT」のことです。
CC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)を理解するには、CCライセンス(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)の理解が必要なので、まずはCCラインセンスについての解説をしようと思います。
CCライセンス(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)とは?
CCライセンスとは「インターネット時代の著作権ルール」のこと、というイメージでOKです。
「クリエイティブ・コモンズ」と呼ばれる国際的な組織があるんですが、そこが作っているライセンスが「CCライセンス」です。
CCライセンスを利用することで「作品を二次使用する際の条件」を意思表明できる様になります。
具体的には、下記の6種類のCCライセンスが用意されていています。
上記のグラデーション画像を見るとイメージしやすいんですが、選ぶCCライセンスの種類によって「どこまで権利を解放するか」を設定できる様になります。
で、CC0は先ほどのグラデーション画像の一番右側にある「PD」に当たります。
PDとは「パブリックドメイン」の略称で、つまり「自分の作品に関る権利を完全に放棄すること」になります。
なので、CC0を導入したNFTプロジェクトであれば、著作権を気にすることなく「商用利用」したり「二次創作」が可能になります。
CC0をNFTに採用する理由
ここまで読んで頂けた方は「CC0を採用したNFT=著作権を完全に放棄したNFT」ということが理解できたと思います。
ただ「なんでわざわざ著作権を放棄するの?」という疑問が残りますよね。
普通に考えれば「自分以外も商用利用できる様になったら、自分の売り上げが減ってしまうんじゃ、、」と感じるはずです。
そんな考えがあるにもかかわらず、CC0を採用する理由は「元プロジェクトの認知・拡張・拡大を促し、熱量の高いコミュニティを生み出せるから」です。
CC0を採用して商用利用をOKにすることで、多くの派生プロジェクトが生まれやすくなります。
そして実際に派生プロジェクトが増えれば、元プロジェクトの認知が広がり「コミュニティの拡大」「フロア価格の上昇」を狙うことができます。
この理由が、NFTプロジェクトがCC0を採用する理由です。
下記に、CC0を採用したNFTプロジェクトをいくつか挙げてみました。
Nouns
Mfers
Loot
Blitmap
CrypToadz
他にも、ブルーチップNFTプロジェクトの「Moonbirds」もCC0ラインセンスに変換することを発表しています。
1/GM.
Today, we’re announcing that @moonbirds and @oddities_xyz are moving to the CC0 public license.
We believe this move honors and respects the values of the internet and web3 and starts a new and important phase of the project. 🧵...
— KΞVIN R◎SE (🪹,🦉) (@kevinrose) August 4, 2022
CC0ではないですが、国内最大プロジェクトである「CNP」も、二次創作・商用利用をOKにしたことから大きく成長していますよね。(要因はそれだけではありませんが)
デメリットはもちろんありますが「認知の拡大」を考えた時に、CC0はかなり有効な手段になります。
CC0 NFTにすることのメリット・デメリット
「CC0を採用する理由」について理解できた所で、CC0 NFTにすることのメリット・デメリットをそれぞれ解説したいと思います。
CC0 NFTにすることのデメリット
まずはデメリットから。
CC0 NFTのデメリットは、下記の3つです。
意図しない方向で使われることがある
資金調達がしづらい
CC0ライセンスの取り消しが不可能
それぞれ解説していきます。
意図しない方向で使われることがある
CC0 NFTのデメリットの1つ目は「意図しない方向で使われることがある」です。
CC0は「完全に著作権を放棄する」ので、意図しない方向でNFTが使われることが考えられます。
意図しない方向のデザインで作られてしまうと、元のオリジナルPJに悪影響を与えることがあるかもしれません。
例えば、ワンピースがCC0を採用したとして、二次創作の作品に「グロテスクやホラー等の18禁の作品」がでてきたら、オリジナルのワンピースに悪影響が出る可能性がありますよね。
これは、CC0にしたからこそ発生するデメリットです。
なので、プロジェクトとして守りたい「ブランドイメージ」等がある場合は、CC0は向いていません。
自分がどのようなIPをつくりたいか、を考えてCC0にするかどうかを決めましょう。
収益化・資金調達がしづらい
CC0 NFTの2つ目のデメリットは「収益化・資金調達がしづらい」です。
例えば、NFTを使ったTシャツ等を販売したとしても、著作権をすべて解放してしまっているので、運営会社が独占的に収益化することは難しくなります。
資金調達の面からも、CC0のNFTは「権利を放棄している」ので、資金調達ハードルが上がりますよね。
今後NFTの「IPを使ってビジネスがしたい」場合や「NFTのキャラを使ったグッズ販売」などを考えている場合は、CC0にはしない方がいいかもしれません。
CC0ライセンスの取り消しが不可能
CC0 NFTの3つ目のデメリットは「CC0ライセンスの取り消しが不可能」です。
クリエイティブ・コモンズの公式サイトでは、下記の様に記述されています。
CCライセンスは取消ができません。つまり、CCライセンスのついた作品を入手した誰かに対して、そのライセンスで認められている利用を止めることはできません。
CCライセンスをつけた作品の公表を止めることはいつでもできますが、既に出回ってしまった作品のコピーは、それが単なるコピーでも、編集著作物や二次的著作物に含まれるものであっても、それを回収するということはできません。
引用源:クリエイティブ・コモンズ F&Q
このことから、CC0を適用した後に「やっぱりCC0にするのをやめたい」と思っても、取り消すことができないので、よく検討する様にしてください。
CC0 NFTにすることのメリット
CC0 NFTにすることのメリットは、下記の3つです。
二次創作側が商用利用しやすく、広がりやすい
収益を還元してくれるPJが現れる可能性がある
同じCC0PJ同士で相互作用を生み出せる
それぞれ解説します。
二次創作側が商用利用しやすく、広がりやすい
先ほどと少し重複してしまいますが、CC0 NFTの1つ目のメリットは「二次創作側が商用利用しやすく、広がりやすい」です。
CC0にしなくても、一定条件を設けて商用利用OKにすることはできます。
例えば、下記のCCライセンスは「原作者のクレジットを明記」すれば、商用利用OKのライセンスです。
ただ、実際に二次創作する場合「このラインセンスが本当に商用利用していいのか」をちゃんと調べないと怖いじゃないですか。
やっぱり二次創作する側は「訴えられること」が一番怖いので、CC0じゃないNFTの二次創作は少しハードルがあるんですね。
それに対してCC0は「著作権をすべて放棄している」ので、シンプルでわかりやすく、二次創作しやすいです。
なので「CC0じゃないNFT」と「CC0のNFT」を比べた時に、二次創作が盛んになるのはCC0のNFTになります。
つまりCC0のNFTは、CC0じゃないNFTより認知が広がりやすいということです。
認知が広がれば、その元PJの「コミュニティの拡大」「フロア価格の上昇」等が期待できますよね。これが、CC0 NFTにすることの一番の大きなメリットです。
収益を還元してくれるPJが現れる可能性がある
CC0 NFTの2つ目のメリットは「収益を還元してくれるPJが現れる可能性がある」です。
既にこの様な実例がありまして、下記の2つのPJが該当します。
Flipmap
Touns
Flipmapは「Blitmap」の派生プロジェクトなんですが、全売り上げの25%をBlitmapのアーティストに還元しています。
Tounsは「Nouns」と「Cryptoadz」を組み合わせた派生プロジェクトです。
このPJも、両PJに売り上げを還元することを発表していて、収益の50%をそれぞれのPJに還元しています。
この様に、CC0を採用することで「自分のPJが売れなくても収益が発生する仕組み」を作ることも出来ます。
まあ、全てのPJが収益を還元してくれる訳ではないので、その点には注意してください。
ただ、先ほどの派生PJを運営している方たちは「CC0 NFTを盛り上げたい」という思いがあり、その為には「派生元のPJに収益の一部を還元することが重要」という結論を出した背景があります。
実際にCC0 に切り替えているPJ(MoonbirdsやX-COPY等)も多いですし、今後CC0 NFTがもっと増えていくことも考えられます。
なのでCC0を採用することで「二次創作をOKにして最終的に元PJに還元される仕組み」を作っていくことが可能になります。
同じCC0 PJ同士で相互作用を生み出せる
CC0 NFTの3つ目のメリットは「同じCC0 PJ同士で相互作用を生み出せる」です。
CC0PJ同士で協力して「CC0 NFT」を盛り上げていくことで、全体の認知が広まり、各PJのフロア価格を上げることに繋がります。
ワンピースの「ルフィとロー(キッドも)が同盟を組んで、ドフラミンゴやカイドウ、ビッグマムを倒して名を上げる」みたいなイメージですね。
引用源:ONE PIECE 第1015話
個々だけでは難しいことも、協力することでスケールを大きくして活動していくことができます。
「CC0mmunity」と言葉が生まれる位のムーブメントになっているので、これを狙っていくのも効果的です。
まとめ:CC0 NFT
CC0 NFTについてまとめました。
今後CC0のNFTや、CC0ではなくとも「CNP」の様に二次創作・商用利用OKのプロジェクトが主流になってくることも考えられるので、その時に「CC0 NFT知らないの?」とドヤ顔できる様にしておきましょう。
CC0 NFTをまとめると、下記のとおりです。
著作権を完全に放棄したNFT
認知の拡大にとても有効
意図しない方向で使われる可能性アリ
CC0ライセンスを一度適用すると取り消し不可
以上です。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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